窓のような四角の枠の外側に、染付けと赤の輪郭線で石榴を上下に画き、
枠の内側に、あたかも、窓を通して庭前の盆栽を見るような趣があります。
縁を花びらが重なっているようにしてべべら状につくり、見込みは梅花文を白磁で表現していますが、
釉が厚い為にはっきり見えないところがありますが、花芯から花びらに向かって数条の線が陽刻されているのが
見てとれます。
もし、この梅花文を鍋島と関係の深かった加賀前田家の家紋と見ると、大変興味深い作品になると思います。
小品ながら、初期伊万里大鉢に描かれているような山の勢いのある表現や、対照的に
八つ橋のような橋に佇む人物ののどかな描き方等、どの角度から見てもなかなか魅力的な小壺です。
胴経 11.5cm
高さ 11.5cm
高さ 42.5cm
高さ 約32cm
胴経 約17cm
長壺の周りに巡らされた染付けの絵は、一幅の絵画を思わせるような雰囲気があり、この時代の名品と思われます。
水が漏れるので古い共直しを外し、しっかりニュー止めをしました。かえって伊賀の釉調がきれいになったと思います。